園芸療法は認知症、精神疾患にほんとうに効果的なの?
以前、園芸療法を認知症や精神疾患の人たちと一緒に取り組んだことについて書きましたが、確かに園芸、植物を見ること、触れることなど五感に訴えることで状態が変化する様子がみられます。
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これもやり方次第だと思うのです。
たとえば、あなたが初めて会う認知症や精神疾患の方に園芸療法を行うとしたら何から始めようと考えますか?
その認知症や精神疾患の程度にもよると思うのですが、軽度の方ならすぐになじめるけれど、重度の方に対する園芸療法はかえって良くない結果に終わってしまうかもしれません。
その場にいられなくて席を立ってしまったり、大声を出したり、園芸療法士につっかかる、なんでも口にしてしまう「異食」の方は植物や土を口にしてしまったり。
慣れた介護職の方がサポートとしてついていてくださるならずいぶん状況は違ってくるでしょう。
園芸療法を療法として行いたいのならば、わたしは初回は園芸療法を行わないと思います。
しばらくは評価も兼ねて、「その場にいる」ことを何回か重ねると思います。
認知症や精神疾患の方たちに受け入れてもらえるまで何かを行うことを待つ。
それはわたしの方法なので、園芸療法士、作業療法士によると思いますが、作業療法を学んだことでこういったステップをふむことを選ぶようになりました。
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身体疾患にも園芸療法は使えるのか?
園芸療法というと認知症への効果がクローズアップされがちですが、小さなお子さんから高齢者まですべての年齢のひとに導入できます。
まず、土や植物に触れるだけでずいぶん表情が違います。
たとえば脳血管障害の方への園芸療法
身体疾患、たとえば脳血管障害のある方に園芸療法をどうやってリハビリとして使いましょうか?
高次脳機能障害が大きく残っているかそうでないかによっても異なりますが、片麻痺の方には麻痺側をあえて使うようアプローチしたりします。
ただ麻痺側がどのような状態なのか、自分の意志で動かせるのか、どこまで動かせるのか、手指は動くのかなど見ておく必要はあります。
高次脳機能障害もさまざまな種類があり、左麻痺の方には左半側空間無視という左側が見えているが認識しにくいという後遺症が残る場合があります。
左側へ注意を向けるなどのリハビリを行いますが、園芸療法でも植物や道具を左側に置いてとってもらうなどのリハビリが可能です。
こういった方法で作業療法、リハビリに園芸療法は取り入れることが可能ですし、いつもの機能訓練室から屋外に出て行うと気持ちやモチベーションも違ってくるかもしれません。
リハビリとしての園芸療法の可能性は無限大
いま書いたことは作業療法としての園芸療法の一部ですが、工夫次第でさまざまな導入方法があり、可能性は無限大です。
なにより植物の好きな人、興味のある人にとっては楽しんでリハビリが行えることは魅力的!ですよね。
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