園芸療法で「認知症が治る、良くなる」のか
いまや認知症はよく知られたものとなりました。
加齢とともにもの忘れがひどくなる、そういうことは昔からありましたが、「認知症」という言葉は2004年から使われるようになったのでつい最近のことです。
「認知症って怖いもの」「認知症になりたくない」という気持ちはみなもっています。
できれば認知症にはなりたくないです。
でも、7年後の2025年には5人に1人が認知症になる時代が来るそうです。
認知症は治るものなのか
いろんな認知症がありますが、残念ながら治らないものが大半です。
でも、なってしまったからといってすぐに死ぬわけではないのです。
認知症と診断されて変化がある方もいれば、亡くなるまでほとんど変わらないかたもいらっしゃいます。
認知症、人によって症状が違うのはなぜ?
人によって認知症の症状が強く出たり、でなかったり、それはいろんな原因があると思います。
自宅での過ごし方、自宅の状況、環境、ご家族の接し方、他の人との交流、運動、食事、趣味などなど、何が影響しているかはわからないようです。
作業療法士になってから、そして介護職、園芸療法士として認知症の方々と関わってきました。
認知症になっても、ひと一人ずつ症状や進行が異なるのだな、という印象です。
認知症と診断されても典型的な認知症の症状がみられない方は、ほかの人とよく話している、かかわっているひとが多いようにも思います。
しかし、他の人と接するだけが認知症の進行を食い止めるわけではなく、他にもいろんな方法があるでしょう。
接し方によっても違った反応がでるでしょうし、どういう接し方話し方関わり方がベストなのかもその人によって異なるでしょう。
園芸療法は認知症の進行を止められる?
「園芸療法は草花や土に触れるもの。古来、日本人は農耕にたずさわって土になじみがある。癒される。だから認知症に良い?」
こういう話や記事がたまに見られます。
わたしは園芸療法で「認知症が治る」と、断言はできないと思います。
でも認知症の方々に継続して園芸療法を行っていると、土に触れると穏やかになる、活動的になるとか、いつもは静かな方が急に以前されていた畑仕事について話されたりといつもと異なった様子がみられるのは確かです。
この現象が認知症の進行を遅らせているのかどうかはわかりません。
科学的データをとっているひともいます。
でも、わたしは評価はするものの確固たる数値として脳波をとったり、ということは行っていません。
それでも小集団で行うと話をしたり笑顔で作業されたりする機会が多い、ということは、園芸療法を行うと認知症の進行を遅らせ、いまの認知状態を維持するのに役立っているのではないかと考えられてはいます。
そういう意味では園芸療法は、認知症に「良い」と言えるのではないでしょうか。
ただし、園芸に何の興味もなく草花に触れるのも見るのもイヤという人にはおそらく逆効果でしょう。
認知症の方々に対してどんな園芸療法をすればいいのか
園芸療法の手法もいろいろあります。
ただ草花を植えて終わり、でしょうか?
その先はどうしましょう?
水やりを日課にしてもよいし、咲いた花を部屋に飾り、花瓶の水を替えたり。
園芸だけでなく採れた野菜を料理したり咲いた花をスケッチし始めるなど、新しい趣味が始まるかもしれません。
そういった意味では認知症の方だけでなく、年齢を問わず生活にゆとりと豊かさをもたらす園芸療法です。
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