園芸プログラムは継続しているけど、野菜を植えてもそれっきり、
育つ過程を見たり、水やりや手入れなど全くしないで、収穫できたら野菜を配って終わり。
だったそうです。
利用者さんのなかからは「育っているところを見たかったのに。以前はできたのにね」
という声が聞かれているそうです。
これでは作業剥奪です。
園芸療法は、たとえば野菜を植えたら植えただけでは終わりません。
自分たちの手で、身体を使って育てること、うまく育たなかったらどうしたらいいか考えること、実ができたらその育つ様子を見る、記録する人、スケッチをするもいる。
そんな楽しみも持てる。
収穫の時期には「自分たちで育てた野菜」という誇りを持って収穫ができる。
心身機能の向上と維持、プライドをもって行う、みんなで行うことでの社会貢献などなど。
植えるだけではその大事なことがらが経験できません。
大事な「作業」を取り上げてしまった。
園芸活動ではあるだろうけれど、園芸療法とは言えません。
利用者がどうしたい、どうなりたいのかを常に知り、その目標にむけてリハビリ要素を入れながら達成につなげる。
こういったいわゆる作業療法的手法は作業療法士だけでなくても介護士、看護師でもできるはずです。
毎日、全職員がリハビリをする、という気構えをもって仕事をすれば自然と身につく、できるはずなのです。