「作業療法士」って何?
「作業療法士」という言葉を聞いたことがありますか?
あなたは以前「作業療法士」に会ったことがありますか?
どんな場所、どんなことをしていましたか?
あんまり見たことないなぁ。。
作業療法士も理学療法士や言語聴覚士と同じようにリハビリをするひと、リハビリ職です。
もしあなたが作業療法士と会えたとしたら、それは病院や老健(介護老人保健施設)、予防体操教室、もしかしたら地震のあったあとの災害地で、かもしれませんね。
「作業療法」とは?
作業療法についてはどういうものか、以前このブログでも触れています。
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作業療法の定義は(日本作業療法士協会ホームページより)
作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。
作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。
ということですが、実際どのようなことをするのかがわかりにくいですね。
ちなみにアメリカ作業療法協会の定義(和訳しました)は、
生活は作業で成り立っているーーその作業はすべて意味のある作業である。
みんないろんな作業や職業にかかわっているけれど、トラブルにあって初めて、日々、自分の作業を空気のように、あたりまえのように行っていたことに気づく。
赤ちゃんは遊びながら生きていくすべを身につけていく。
おとなたちは家族や友人との時間を過ごし、自宅で暮らす。
もし事故やケガをしたらそんな毎日の大切な作業はできなくなってしまう。
そんなとき、あなたのかけがえのない作業をもう一度取り戻すために、作業療法はあなたに寄り添う。
こちらのほうがわかりやすいでしょうか。
作業療法士はどこにいる?
作業療法士に会ったことがある、というあなたはケガや病気をして入院されたかたでしょうか?
入院中、作業療法士にリハビリしてもらいました、というひとも多いのではないでしょうか。
作業療法士のいるところはざっとあげると、
- 病院
- 介護老人保健施設(老健)
- デイサービス
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 在宅介護支援センター
- 精神科病院、精神保健福祉センター
- 精神障がい者作業所
- 児童福祉施設
- 養護学校、幼稚園
- 保健所、保健センター
などです。
ざっとあげただけでもこんなにあります。
ほかにも、海外で活躍している作業療法士やホームレスのケアをしている作業療法士、震災後の心と身体のケア、予防、地域包括と様々な場所で作業療法士は活躍しています。
施設、団体に所属していたり独立してフリーで働いている作業療法士もいます。
以前の記事にも書きましたが、作業療法士と理学療法士との違いで、作業療法士は身体機能面だけでなく精神面、心にもアプローチします。
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上記にあげた施設は、
- 身体機能障害(全世代)
- 老年期障害(高齢者)
- 発達障害(子ども~青年期)
- 精神障害(全世代)
このように幼いお子さんから高齢な方まですべてのひとに関わっているということがわかります。
それも、身体だけでなく心や生まれつき持つ障害、障害を克服した後の就労や自宅での生活にまで関わります。
もちろん作業療法士だけでなく理学療法士も関わることはありますが、精神障害、発達障害に関しては作業療法士が圧倒的に多く関わっています。
そして在宅復帰や自宅出の生活、就労支援、地域での暮らし、継続困難を抱えている母子家庭もしくはお子さんの暮らしなどには多くの作業療法士がお手伝いしています。
作業療法士は体と心の障害をかかえている人に対し、それらが治ったひと、または障害を抱えながら生活しているひとの現実や未来、夢をかなえるお手伝いをする仕事、ということになります。
作業療法士で園芸療法士であるわたしの場合
わたしは介護職で6年間老健デイケアで働き、その後も違う老健デイケアで作業療法士として働いていました。
デイケアは通所リハビリといって、ご自宅から来られてリハビリをする施設です。
ケガや病気、脳血管障害などで入院されていた人が退院されて自宅に戻られたときに、まだ身体の動きが不十分でリハビリが必要な場合、通われます。
また、もともと病気がおありだったり、高齢になられてあまり動きがなく寝たきりに近い状態になって体の機能が衰えたため、リハビリが必要になって通ってこられるひともいます。
最初はその方々の評価から始まって、どんな希望があるのか、どんな目標を立てるのかを利用者さんと一緒に話しながら決めます。
決まったら、その目標に向かってリハビリ内容を考え、リハビリをしながら目標=ゴールに到達する、ということになります。
わたしは一般的なリハビリも行いますがなかでも園芸療法という手法を使って心と体のリハビリを行っていました。
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こんなふうに楽しみながらリハビリをし、自宅での生活の動作に活かす。
ひいては自宅でも生活の一部として園芸を、もしくは園芸からヒントを得た何かを始める。
そういったリハビリから得られた結果を利用者なりに工夫してより快適な生活を送るお手伝いをすることができるのが園芸療法士であり作業療法士です。
園芸ができたことで料理を再開する、料理を写真に撮る、日記がわりにつけていく、などの効果がみられました。
「リハビリの向こう」を見据えての関わりができるのが作業療法士なのです。
ルールはありません。
決められた枠もありません。
基本はリハビリですが、その先を対象となる方と一緒に探して歩いていくことのできるすばらしい職業です。
作業療法を知ることのできる本。
ぜひ一度読んでみてくださいね!
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