Yさんのこと
先週の天気の良い日。
認知症のYさん、特に夕方、暗くなるといろんなことを訊ねに来られます。
しかしこのところ、朝が明るくなるのが遅いので、午前中にも来られたりします。
そうだ、草むしりしよう。
そこで屋上に来ていただいて草むしりを手伝っていただくことにしました。
最初は「それどころじゃないのよ!わたしは行かないといけないの!」と少し興奮気味でしたが、
わたし「そうなんですね。出かけるんですよね。その前に少しだけお手伝いしていただけますか。
ここの雑草、すごいでしょう。ほんとに困っているんですよ。
少しの時間だけ一緒に雑草取ってもらえますか」
Yさん「雑草なんて関係ないのよ!」
ここでしばらく離れてみる。
わたし一人、草むしり開始。
すると、
どうでしょう。
何も言わず、草むしりを始めていらっしゃるではないですか。
このYさん、以前はおうちで草花を育てていらっしゃったそうです。
雑草抜くなんてお手の物。
素晴しい速さで片付けてくださいました。
そうして日陰でお茶を飲んで、お話して。
お昼前になり、ニコニコ笑顔で屋内に戻っていかれました。
草むしりは、楽しい。
特に何もする必要はないのです。
その場所にお連れするだけです。
草むしりだと道具も何もいりません。
集中して作業することで不安がやわらぐ、役割作りと社会参加、
昔の話を思い出して話したり=回想法。
わたしたちは雑草をきれいに取っていただき、助かります。
Yさんは以前行っていた草むしりをしばらくぶりにできた達成感と、
身体を適度に動かし、心地よい疲労感。
今後、草むしりが定着すればYさんにとって毎日の大切な作業になり
Yさんにとってここに居る「意味」のひとつになります。
ここにYさんに居ていただきたい、Yさんが居ないとわたしたち困るんです。
園芸療法=リハビリ、こんなかんじでゆる~く楽しくできるのが一番ですね。